こんにちは。
今回も動画編集を担当した堀です。
「おまえは誰なんだ」という方のために。子どものチェロの合宿で先生としてきたのがまきおさん。それがご縁で知り合いになり、チラシデザインや何やらの仕事を受けるように。
ある日、ともみさんからが着信があり、意気揚々と出たら、相手はまきおさんで
「なんだ…まきおさんか…ともみさんがよかった…」
と落胆の気持ちをついついまきおさん本人に漏らしてしまった、そんな関係です。
どぅるーじば第2回目、ピアニスト佐藤彦大(さとう ひろお)さんの回、いかがでしたでしょうか。
1回目のピアニスト入江一雄さんの回のあとに
「編集後記を書いてください」と言われ、
「絶対にやだ」と何度もごねたのですが、言いたいこともたくさんあったので(主にクレーム)前回は仕方なく書きました。
そして今回の2回目。
頼まれた時は、もはやごねることもなく二つ返事で「はい」と言っていました。こうやって人は権力に飲み込まれていくのです。
さて2回目の佐藤彦大さんの回…の前に、入江さんがスピンオフで出演してくださった『どぅるーじば ミニ』について。
まきおさんからは
「4回ぐらいの番組を考えていて、それとは別にちょこちょことした映像の編集があります」
という依頼だったのですが、1回目を作り終わってすぐに、まさかそのちょこちょことした編集があるとは…。このペースでいったら、ちょこちょこだけでけっこうな作業量になるのでは…と怯えたのですが本当に(時間的には)ちょこちょこした作業だったので、助かりました。
そして送られてきた映像を確認して、何より驚いたのは
「ともみさんが完全に覚醒している…」
1回目の入江さんの撮影の時は、オンエアがまだされておらず、編集でどこまでできるかが手探りの状態。ともみさん自身も「間違えちゃいけない」とか「噛んじゃいけない」とかけっこうなプレッシャーの中で撮影されていたのだと思います。
でも編集の素晴らしいところは、間違えたって、噛んだって、まきおさんが失言したってなんとでもなること。
『どぅるーじば ミニ』の撮影は第1回オンエアのあとだったので、のびのびと羽ばたいているともみさんの姿がそこにはありました。
ともみさんは声質も素晴らしくて、可愛らしい&よく通る声。この素敵な声を生かさない手はない!と思いスピンオフで『どぅるーじば ミニ』のジングルの声を入れてもらいました。ありがとうございます。
入江さんも『大曲の演奏会後にインタビュー』というハードな状況に応じていただいて、また編集後記も書いていただき、本当にありがとうございました。出演してくださったヴァイオリニストの小林壱成さんも勝手に忍びの者にしてすみません。
またインタビューにご協力&素敵な場所を提供してくださった『美竹清花さろん』の見澤さんにも感謝を申し上げます。ありがとうございました。
さて本題のひろおさんの回。
メインディッシュが遅くなってすみません。
こんなに映像向きの人がいるだろうか。きっと文字だけだと絶対に伝わりきらないひろおさんの魅力。
声色の多彩さ、 表情の豊かさ、それだけでも見応えがあるのに、話の内容がさらに面白い。
まず最初に届いた動画が『ニュース・ビッグベア』のコーナー。
「まきおさんがキャスターとして追加されてる…」なんて映像を見ながら、大熊くんがしっかりと為になることを言って、まきおさんが笑いを取って、絶妙なバランス。楽しみながら編集をして、まきおさんに動画を送信。
すると返事が。
「堀さん、楽譜のアクセント記号間違ってます…」
確認してみたら『 V 』って書いてました。
そうです。これはチェロ的にはアップボウ。アクセントは『 > 』こんな初歩的すぎるミスをして、申し訳ないなーと思っていたら、まきおさんから
「あの楽譜って堀さんが作ったんですか?」
「いやいや、フリーで取ってきた素材。私にそんなの作る能力ないし、あれがどんなメロディーかもわかってません」
これは絶対にまきおさんに怒られるやつ…。
「何ですか!あの適当な楽譜!いい加減にしてください!」
きっと言われる!
「はい。適当ですみません…やっぱりダメですよねぇ…」
オドオドしながら、返事をしたら、
「おもしろい曲ですよねぇ。これをモチーフに曲を作ろうかなぁって」
天才が斜め上の感覚からきた…。
さすがです。
そんな『ビッグベア』の編集をなんとか終えて、ひろおさんに俄然興味が湧き、調べてみると、ご本人がYouTube チャンネルをお持ちでした。
「ピアニストの YouTube チャンネルか…練習動画とか演奏動画かな…」と覗いてみたら、半分以上がキノコの動画!しかも結構ガチなやつ!
「これはどぅるーじばでしか扱えない案件だ!」ということで、まきおさんに速攻連絡。
「今度の取材で、ひろおさんとキノコ採りに行って料理してください」
でも、まきおさんからの返事は「スケジュールが少し厳しいので、キノコ動画をもらってきます」という経緯で、今回キノコ動画を譲っていただきました(正確には奪い取った)。ありがとうございます。感謝の気持ちを込めて、ひろおさんを勇者にさせていただきました。
ビッグベアとキノコ動画、2つを編集して「もう大満足!」と思ってたら、インタビュー動画が送られてきて、音作りのコーナーが送られてきて、料理の動画も送られてきて…。
映像を確認したら、それぞれの撮れ高がすごいし、めちゃくちゃ濃密。
コンクールの裏側の話なんて、なかなかあそこまで本音で話してくれる人はいないんじゃないかと思います。ピアニストとチェリストによる歌のコーナーも興味深くてグッと見入ってしまいました。
音作りのコーナーについては、私は音楽未経験者なので、どこを使うか、どうやって伝えたらいいかなど、まきおさんにかなり相談させてもらいながら編集しました。今までの作業の中で、1番大変だったかもしれません。
そして奈良さんのちょっとしたスパイスが効いている動画。風邪気味で体調が優れないなか、わざわざコメントをくださり、ありがとうございました。
ひろおさんとまきおさんの素晴らしいシューマンの演奏。今回はいかにも『アダージョ』、いかにも『アレグロ』だったので、楽章の切れ目を調べるという手間がなかったので良かったです。
ニュース、きのこ採り、まさかの五合目のおじさん、音作り、演奏、もうすでにボリューム満点だけど、さらに『ひこにゃんがつくる 伝説の90番』コーナー。
まきおさんのおふざけを無視しまくって、ひろおさんが淡々と調理するその姿があまりにも面白くて、その雰囲気を活かしました。料理は手際が大事ですよね。
料理を作り終えたところで、奥様の幸子さんが登場。お鍋に使われている唐辛子は幸子さんが愛を込めて育てたもの。辛そうだけどめちゃくちゃ美味しそうに食べる皆さんを見て、私も唐辛子を育てたくなりました。やっぱり生唐辛子いいなぁ。
食べたあとは、ひろおさんによるシューベルトの『魔王』の演奏。
実は個人的にシューベルトの魔王には思い出がありまして。
中学生の音楽の授業で魔王の曲が教材として登場。
その時にナレーター・魔王・父親・子供という役に分かれて朗読をさせられるというものがあったのですが、たまたま私が当てられたのが
魔王役。
「かわいいぼうや おいでよ おもしろいあそびをしよう」
『ただただこの時間が過ぎてくれ』と、やる気なく魔王のセリフを言い終えて、なんとか地獄の時間は終了。
そして授業後に、私につけられたあだ名は
『魔王』
いっさい魔王感を出さずに読んだのに…。
そんな過去の嫌な思い出も吹き飛ぶぐらい、ひろおさんの『魔王』が素晴らしくて、最後にひろおさんがうなだれた時には「ひろおさんが魔王に連れていかれた!」と思うぐらい。
そんな鬼気迫るひろおさんの魔王をぜひぜひ皆さんご覧ください。
『糸を紡ぐグレートヒェン』も素晴らしいです。
私は音楽のことは素人ですが「素晴らしい」という言葉しか出てきません。
最後にひろおさんのPV用演奏が送られてきて、曲名がわからず、まきおさんに尋ねてみると、
「ぼくもわかんない…」
そりゃそうだ。まきおさんはチェリストだし、ピアノの曲なんてたくさんあるもの。
二人でただただ沈黙。
なんとなく「けっこう昔の時代の曲」っぽいなぁと思ってたら、
ひろおさんから返ってきた答えは、
『バッハ/ペトリ編:羊は安らかに草を食み』
…。
「ペトリって…誰?」
「やっぱりバッハっぽいと思った!」
「私が5回生まれ変わっても、絶対に出てこないタイトル!」
二人でわちゃわちゃ。
『けっこう昔の時代の曲』という私の予想は外れてなかった、優しい先生だったら1点ぐらいくれると思う。
羊は安らかに草を食み…私は『羊』と言えば、牧場でお弁当を食べてて突進された凶暴な思い出しかないです。幸せな家族の風景が一瞬で大惨事になりました。
ちなみに『食み』は『はみ』って読みます。勉強になりますね。
さて、まきおさんのことを褒めておかないと、そろそろすねてしまいそうなので褒めたいと思います。
実はまきおさんは、企画の内容を考えたり、全体の把握しながら現場で仕切っていたり、演奏もして、台本も書いて、撮影もしてるんです。
「料理を撮影してるときに油断するな。料理の大事な手順が撮れてない」とか、
「オッケーが出た後に、素に戻るまでが短すぎる。編集的にはせめて2秒はキープしてほしい」
とかそんな細かいことはどうでもいいんです。
これだけ多才なことは『まきおさんじゃないとできないよね。すごい』と尊敬しながら、編集しています。そしてそんなまきおさんをサポートするともみさんも、とても素敵。お二人とも本当にお疲れ様でした。
そして自宅撮影をするにあたり、ご協力いただいた奥様の幸子さんもありがとうございました。お部屋を整えたり、クリスマスツリーを飾り付けしてくださったり、そのお心遣いが映像からも伝わってきました。猫のライムくんも撮影協力ありがとう。
今回も編集を終えたら、1時間ちょっとという長尺。
大きな編集作業を終えて、一番やりたかったこと。
それは…
きのこと鶏肉のシチューを作ること。
(近くにきのこが採れるフィールドがないし、ハタケシメジを見分けられるか自信がないので、スーパーで買ったヒラタケで代用)。
ずーっと「食べたい」と思いながら我慢して編集してたんですよ。
作ってみたら、めちゃくちゃ美味しいのなんの。
ひろおさんのオススメ通りで本当に塩と胡椒だけで大丈夫。
味見をして、あまりの美味しさに夕食前にこっそり隠れて2杯食べちゃいました。
そして、子供が寝たあとに
伝説の90番を作る。
シチューを作ったその日の夜に作っちゃうよね。食べたいもの。伝説だもの。
これもすんごく美味しい。ネギとショウガとにんにくのスープが激ウマです。
大量の油を摂取したら、トイレが大親友になってしまうお年頃なので、辛味はかなり抜いて、油もかなり少なめに。旦那さんと「これは美味しい」とペトリ、いやペロリと平らげてしまいました。
料理の写真をまきおさんに送ると
「どぅるーじばのファンの方ですか?」と。
たぶん間違ってはない。
楽しそうにしている映像を編集していると、私も幸せな気持ちになります。
それぞれの生活がある中で、今回の企画にご協力いただいている皆様に感謝しかありません。こんな素晴らしい企画に携われて、本当に胸がいっぱいです。
そしてすべての活動は助成をくださっている「ふじのくに#エールアートプロジェクト」様のおかげです。ありがとうざいます。
シチューも90番も本当に簡単で美味しいので、皆様もぜひ作ってみてください。
ひろおさんの『魔王』を聴きながら、みじん切りをすると、めちゃくちゃ捗ります。
さて、前回の入江さんのオンエア後、わが家の家訓は『レディーファースト』に。
長男に「女の子や年下の子には譲るんだよ」と何度か言い聞かせました。
その効果があらわれたのは、食事でリンゴが最後のひと切れになったとき。
長男が
「お姉ちゃん、最後のひと切れ食べていいよ」
というなんとも素敵な出来事が。
レディーファースト効果すごい!なんて思ってたら、また別の日、
「お母さん、今日、小学校でレディーファーストしてきたよ!」
「そうなの?すごいじゃん!何したの?」
「掃除の時間に、机を運ぶのを女の子に譲ったよ!」
…たぶんそれは違う。
レディーファーストのむしろ真逆。
『譲る』の境界線を教えるのって、難しいですねぇ。
そんな話はさておき、ひろおさんの魅力が存分に詰め込まれた第2回。
コンクールのことも、キノコのことも、音作りのことも、伝説の料理のことも、素晴らしい演奏も、こんなに充実してていいのかと思うぐらい、すべてが入った動画をぜひご覧ください。